5時まで待てないッ!
恭介の前に置いてある枝豆の小皿に手をのばす。
「どした?一人で飲んだりなんかして」
恭介は、パシッとその手をはたいた。
「べつに…なんもねぇよ。樹こそ、どうしたんだよ」
手にした枝豆で、こちらを指された。
「絵美さんになんかバレたか?」
…また、このパターンだ。
やましい事をした覚えはないのに。
樹はムッとして、恭介の手から枝豆を奪い取った。
「俺ってそういう事してるように見えんの?部長からもそれ言われたんだけど。」
「ッ部長……」
――瞬間、恭介の表情が凍りついた。
が、すぐに樹から目を逸らすと、再び枝豆を弄りはじめた。
「…?」
なんかあるな、とは感じたが、恭介が黙り込んでしまったので、何も問わなかった。