5時まで待てないッ!
5分だなんて、そんな無茶な…。
そう思いながら、ちらりと時計を見た。
「―――…あっ!!!」
時計の短い方の針は、2を指している。
外は明るいから、深夜2時ではなさそうだ。
「…大遅刻だ」
アラームに気づかない程、爆睡していたのだろう。
ようやく状況を理解した樹は、急いでスーツに着替えた。
家を飛び出して会社へと走ったのだが、昨日飲み過ぎたせいもあって体が思うように動かない。
結局、途中でタクシーを拾った。