ゴメン、スキ。
光志から唇を離す。
すると、光志はニコッと笑い、また、パソコンに向かった。
ちょっとムカつく。
「なんだよ?ムスっとして」
また、パソコンをいじっていた手を止め、呆れた感じで、そう言った。
「あたし、今、光志にキスしたんだよ?」
「知ってるよ」
すると、光志は驚いた顔をする。
きっとあたしの目から涙が落ちたからだろう。
「それで終わり?」
キスしたのに、
夜なのに、
二人きりなのに、
「なにがしたいの?」
光志はずるい。
わかってるくせに
あたしに言わせるの?
「だから、その…」
急に恥ずかしくなり
口が隠る。
「泣くほど俺にしてほしいことがあんだろ?」
そう言って
光志はあたしにキスをした。
長くて熱い、そんなキスを。
光志はそのままあたしのおでこと自分のおでこをくっ付ける。
そして、光志の大きな手があたしの顔を包んだ。
「杪、わりぃ…」