ゴメン、スキ。
久しぶりに会って
他愛ない話で盛り上がる。
「いいよな、高校生」
「そう言えば、受験生だっけ? ガンバレ」
「他人事だと思って…」
怜くんはぶっちゃけ
超がつくほど馬鹿の部類。
でも、鞄を開けたときに
ちらりと見えた数学と
理科と書かれた教科書。
前は教科書なんて
鞄に入ってなかったから
少しは勉強してるみたい。
「…ふふ」
「何、笑ってんだよ」
「ん?なんでもない」
ふと、時計を見ると、9時を過ぎていた。
すると、怜くんはあたしの手を取った。
「え?」
「…暗いし、送るよ」