ゴメン、スキ。
「……え」
ドアを開けた瞬間。
誰かがあたしを抱きしめる。
「ちょ、ちょっと…」
あたしは体を離そうした。
だけど、そんな気持ちはしだいに消えていく。
だって、
このシャンプーの香り。
この大きな背中。
あたしがプレゼントした上着。
「光志…なんで…」
そう言うと光志の体が小さく震える。
「なんでじゃねえよ」
そして、抱きしめる腕が強くなった。
「俺から…逃げんな」
その声は震えていて
光志の気持ちがにじみ出ていた。
「やめて…離してよ、光志」
せっかく覚悟決めたのに…
揺るがせないで……