ゴメン、スキ。
止まっていた涙が
また頬を伝う。
光志はそっと体を離した。
そして、優しくあたしの涙を親指で拭く。
「……お前だって、泣いてんじゃねえか」
そう言う光志の顔をどこか哀しげで、胸が張り裂けそうだった。
「あたしは、邪魔者になりたくないの」
あたしはぎゅっと目を閉じる。
これ以上、光志の顔を見ていたら、もう止められなくなるから。
覚悟は決めたんだ。
ここで終わりにしないと……
「ほら、帰んなって。きっと、奥さん心配してるよ?」
そう言ってあたしはドアに手をかける。
「じゃあね、バイバイ」
あぁ…もうこれで本当に終わりなんだね。