綿雪

「あのさ……」


「えっ?」


急に水瀬くんが声をかけてくるから持っていたフォークを落としそうになる。


過剰反応しすぎだ、わたし……


「永瀬は……んーやっぱり何か違うな……昔のまま、坂井でもいい?」


「うん、いいけど……」


久しぶりに聞いた声とわたしの旧姓。


やっぱり思い出してしまうなぁ……




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