宵闇
魔女の愛。
『アナタが欲しい。』

アタシは潤んだ目でアナタを見つめた。

イケナイとわかっていても止められなくて、アナタにキスをする。

アナタはアタシと恋をしてはならない人。

わかっていても、アタシのカラダは本能のまま動いてしまう。

『ダメだよ・・・。』

アナタはそういいながらアタシの言葉に反応している。

やっと出逢えたの。

アタシを受け入れてくれる人に。

だから、アタシを愛して。

アナタが欲しい。

アタシの中にきて欲しい。

アタシにアナタの全てを受け入れさせて。

むさぼりあうような激しいキスを繰り返して、アタシはアナタにカラダを委ねる。

アナタも本能でアタシを抱き始める。

まるで、ふたりの行為を表しているかのように、激しい雨が窓を叩く音が聞こえる。・・・。

アタシはアナタの耳元で呪文ようにささやく。

アナタはアタシを愛してはならない人。

だけどアタシを愛して。アタシを壊して、アナタだけのものにしてほしいの。

ねぇお願い、アタシに全てをちょうだい。

ねぇお願い、アタシの全てを受け入れて・・・・。

アナタはその言葉に酔いしれるように激しくアタシを愛していく。

お互いのカラダに証をつけあい、お互いのカラダに気持ちを刻みあう。

吐息が激しくなっていく。

もうコトバはいらなくなっていた。

アナタがアタシの中に入ってきた時、アタシは最高に感じた。

アタシはアナタに壊されるんだ・・・。

本能だけで突き進む行為。

『もう・・・ダメ・・・。』

アナタが口にすると同時にアタシの中に熱いものが注ぎ込まれた。

アタシはたまならく嬉しかった。

アタシを壊してくれてありがとう。

アタシを受け入れてくれてありがとう・・・。

ねぇ、もう一度アタシにアナタをちょうだい。

アタシはすでに人間ではなく『魔女』と化していた。

アナタの全てをものにするために。

魔女の愛は果てしなく求め続けた・・・。
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