宵闇
アタシノカラ。
アタシは泣きたかったんだ。

大声をあげて。

『アタシはここにいるんだよ。アタシを見つけて。』

アタシは泣きたかった。

『アタシのことを理解して・・・。』と。

ずっと、ずっと・・・必死で泣くことを抑えていた。

泣いたら負けだとずっと思っていたからだ。

辛いことも苦しいことも自分の責任だと、

ずっとそう思って生きてきた。

アタシが悪い子だったから。

アタシがダメなできそこないだから・・・と。

だから、人よりも負けたくなかった。

泣くことすら我慢した。

ただ、我慢すればいいと思っていた。

だけど・・・

本当のアタシは泣きたかった。

そして、初めて泣いた。

もうすでに限界になっていた。

そして・・・あの日。

アタシは初めて自分のために泣いた。

何かが音を立てて崩れた。

『アタシはこんなんじゃないの。本当のアタシは・・・。』

泣き叫んだ。

大声で泣いたことを受け止めてくれる人はいない。

でも、アタシは満足だった。

だって、自分の殻を破って泣けたのだから・・・。
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