宵闇
祈り。
貴方を憎むことができれば・・・

どれだけアタシは楽になるのだろう・・・?

貴方の声

貴方の指

どうしても想い出して優しい声とともに頭によぎる。

何度も憎もうとした。

何度もキライになろうとした。

だけど、アタシの心のが叫ぶ。

『それだけはやめて!』

まだ愛しているかといえば、完全にそうだとは言い切れない。

でも、もうあの時の愛情まではない。

貴方を憎むことができれば・・・

アタシはもっと楽に生きられるはず・・・。

何度となく後悔した。何度となく自分に苦しめられた。

そして、傷を残して去っていった貴方にも。

この気持ちを癒すのに

この切なく苦しい気持ちを宥めるのに

必要なもの・・・

それは流れる時間しかないんだ。

1日1日が過ぎ去っていくことを心から願う。

今のアタシにできることなのだから・・・。

時よ、想い出を昇華してちょうだい。

アタシの心を軽くしてちょうだい。

今日もアタシは時が過ぎるのを祈りながら過ごしている。

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