宵闇
あの時の貴方の声が聞きたい。

優しくて落ち着いて少し低い声。

その声で名前を呼んでくれたよね?

何度も何度もアタシの名前を呼びながら抱きしめあったよね。

アタシは・・・今でも思い出すんだ。

耳から離れないよ・・・。なぜだろう?

まだ愛しているから?

でも、アタシの中にはもう貴方への愛情は薄くなって消えかけているのよ。

アタシの愛情は他に向き始めてるのだから。

だけど・・・どうしてなの?

貴方の声を聞きたくなるのは・・・。

ただの執着?

ううん・・・そうじゃない。

貴方はアタシにとってある意味代わりの人だった。

アタシが愛して亡くした人に性格が良く似てた。

だから、アタシの中から消えないのかもしれない。

ねえ・・・叶うなら・・・・。

もう一度貴方のあの声が聞きたい。

そして・・・

その優しく落ち着いた声でアタシの名前を呼んで・・・ほしい。

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