宵闇
中身のない愛情。
アタシは『愛している』という言葉にこだわる。

それは本当の愛情を知らないせいかもしれない。

両親からの愛情・・・どうだろう・・・?

あまり覚えがない。

だから、両親からもらえなかった愛情をアタシは『男性』に求める。

言葉で、そしてカラダで。

欲しいの、それが愛情の証じゃないかって。

抱かれることで今までの嫌なことが忘れられる。

吐息ともに・・・。

『アタシを愛して。死ぬまで一生・・・。』

アタシはベッドの中で口にする。

耳元で耳たぶをかみながら囁く。

ねぇ・・・?アタシを愛して。

愛しいものは口にする。

それがアタシの愛の証。

貴方の切なそうで吐息がでる顔が好きなのよ。

甘くてとろけそうな・・・ね?

アタシを愛してくれるなら、どんなことでもするわ。

貴方がアタシを愛してくれるなら。

どんな望みも叶えてあげる。

だから、お願い・・・。

アタシを愛して。

でも・・・本当は『愛情のカタチ』だけが欲しいのかもしれない。

本当は誰も愛せないのかもしれない。

でも、今アタシは欲しいの。

中身がないカタチだけのものであったとしてもその愛情を。
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