宵闇
嘘の痛み。
どうして嘘をついたの?

僕はキミの何だったの?

キミの作り笑顔を見るたびにそう思ったよ。

そんな僕にだってわかるような嘘、つかなくてよかったじゃない。

誰かいるなら、いるって言って欲しかった。

僕の気持ちは、キミに届かなかったの?

僕は真剣だったんだ。

キミと人生を歩もうとさえ思ったんだよ。

なのにキミは・・・どうして?

僕はキミが愛しい。

でも憎い・・・気持ちもあるんだ。

気持ちに嘘はつけない。

キミの『愛してる』は偽りだったの?

あんなに嫌いと言っていた人の元へどうしてそう簡単にいけるの?

教えてくれよ。

僕の何がいけなかったの?

僕の何が足りなかったの?

僕はキミの寂しさを埋める道具だったの?

ねぇ、教えてくれよ。

僕はキミに何も与えられなかったの?

小さな嘘。

大きな嘘。

できるなら、ずっと隠し通して欲しかったよ。

そしたら、僕はキミを好きでいられて、憎むという気持ちは生まれなかったかもしれない。

キミを愛してた。

心からそう思ってた。

でも・・・今は・・・

もう、キミを愛せない。

どう頑張っても愛せない。

僕にはその気力すら残ってないんだ。

ただ・・・ひとつだけ・・・。

いけないことだとわかっているけど、キミには幸せになってほしくない。

せめて、僕の痛みがわかるまでは・・・。

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