宵闇
狂愛。
『どこにもいかないで。アタシをひとりぼっちにしないで。』

アタシは泣き叫びながらアナタに伝える。

アナタがいないとアタシ生きていけない。

涙がとめどなく流れる。

アタシはアナタがいないと生きていけなくなっちゃったの。

アタシをおいていかないで・・・。

子どものように泣き叫び、アナタの足元で土下座してアタシは必死で願いを乞う。

『もう無理だよ・・・。』

そのアナタの呟きさえもアタシには聞こえない。

お願い、アタシをひとりぼっちにしないで。

アタシからいなくならないで。

アタシいっぱい我慢するから、いい子になるから、アタシから逃げないで。

泣いて懇願している中、頭の中でもうひとりのアタシが呟く。

どうして、こんなに弱くなっちゃったんだろうか・・・?

アタシはアナタの何が欲しいの・・・?

愛想をつかされて、別れたいといっているこのヒトになんで頭をさげているの?

このオトコの何がいいの・・・?

頭の中のアタシはいたって冷静で、土下座して懇願している『アタシ』を冷ややかな目で見ている。

そうアナタの目と同じに。

アナタのためならアタシ頑張るから。

お願い、ねぇ、お願いだから・・・。

アナタは足元で頭をこするつけているアタシを見て、

『もうそこが嫌なんだ。やめてくれよ。何が愛だ。思い通りにならないと嫌なくせに。』

そう吐き捨てるように言った。

その時アタシの中の何かが切れた・・・・。

このヒトはアタシを愛してくれない。

でも、アタシは愛しているの。アタシだけのもの。

誰にも渡さない。

アタシの愛は永遠なの。

アナタはアタシだけのもの。

アタシは泣くことをピタッと止めた。

同時にアナタを永遠にすることを考えた。

そして、アタシもアナタと一緒に永遠に繋がっているようにしよう・・・と。

帰ろうとするアナタの後姿を見ながら、アタシはナイフを手にした。

これでアタシ達は永遠に一緒。

アタシはひとりぼっちじゃなくなるのだから・・・。

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