雪の足跡。
第一話「白髭の爺さん。」
星より滴を降らす夜、私はコロリと寝転がってカーテンから漏れる明かりに目を細めた。
この家の持ち主はまだ寝ていないのか、それとも明かりを消し忘れたのか。
チラリと覗くとどちらでもなく、家に人は居なかった。
どうしたのだろう、とカーテンの隙間から中を覗いた。しかしやはり人は居ない。
何度見ても同じ事かと思ったが、もう一度確認しようと頭を上げた。
「どれ、寒かろう」
突然声がすると後ろから暖かいナニカで包まれた。
どうやら暖かいナニカは毛布だったらしい、冷えきった身体をすっぽりと包まれ、私は眠りについた。