雪の足跡。
「お目覚めかい?」
そういうと猫は私を見てニャアと鳴いた。
きっと腹が減っているに違いない、ミルクだけじゃ可哀相に思い、昼食の残りのパンをミルクに浸してあげた。
猫は一口食べると少し舌を出した、少しミルクを温めすぎたようだが、そのあとは何事も無かったかのようにパンとミルクを平らげた。
口の回りをペロペロと舐めて少し毛づくろいをして、私を見て再びニャアと鳴いた。
腹がいっぱいになって眠たくなったのか?と、まるで赤子を扱う時のような思考のうえで猫にベッドを与えた。
ベッドとは言っても、空き箱にクッションと毛布を敷いて、暖炉の傍に置いただけだったが、猫は気に入ったらしく、喉をゴロゴロと鳴らした。
「ゆっくりおやすみ」
そう言って私は猫を少し撫でて、仕事を始めた。