雪の足跡。
今日は時計修理の依頼が三件もきていて、今夜眠れるかどうかわからないくらいだ。
それにしても、明日までに直せとは、向かいのハンスは無理難題とわかって言ってくるんだからなぁ、困ったもんだ。
ルーナが居たころは、二人でよくハンスにおちょくられたもんだ。
今じゃ爺さんがボケないようにだって?全く、よく言ったもんだい。
カンコンと響く音に猫は驚いて寝れやしないんじゃないか、と心配になり猫をチラリと見ると、尻尾をカンコンに合わせて振りながら寝ていたもんだから、こちらが驚かされた。
「いやはや全く、変な猫だ」
そういいながらハンスの時計を直し始めた。