雪の足跡。
「よしよし、完璧に動くな」
三個の時計が全部直ったのは朝方だった。
猫はまだグッスリと眠っているし、渡り鳥もまだ動きはじめてはいなかった。
「私も眠るとしよう、ああよく働いた」
少しノビをしてベッドに座り、二枚の写真を手に持った。
「あの頃は、いや、止めておこう。寂しくなるだけだ、なあルーナ。」
話しかけても、微笑むばかりで何も答えはしない、それでも何か聞こえる気がした。
手に持つ二枚を重ね机に置き、またしばらく眺めた。
「いかんいかん、寝なくては。それじゃあ、おやすみルーナ」
毛布に潜り込むと、渡り鳥の鳴く声が朝日を連れてきた。
そしてやっと眠りについた。