雪の足跡。




久しぶりに夢を見た。

ルーナと私はワルツを踊っていた。

夢の中の私の足は義足ではなく、私の生まれ持った足で、ルーナは写真と変わらぬ笑顔で、幸せな二人でゆっくり踊っていた。


そっと雪が降ってきた。

ルーナは消えてしまった。



目を開けると、いつもの天井が見えた。

夢から覚めると、私は泣きはしなかった、ただ気づかされたのだ。

ルーナが雪を嫌っていたわけじゃない、いつしか私が勝手に思い込んでいたのだ。


なんだか身体が気持ち悪くて大きくノビをすると、猫はどうしているのか気になり、辺りを見た。

暖炉の火が消えかかり、猫は不愉快そうに窓辺に座って外を見ていた。

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