雪の足跡。
第二話「綺麗な白い猫。」
「ルーナ、お前は幸せだったかい?」
「ルーナ、天の国に雪は降らないかい?」
「ルーナ、答えておくれよ」
何も言わないルーナの亡きがらに泣きすがりつく私を、誰も止めはしなかった。
私は幸せだった。
不意な事故で右足を無くした私を変わらずに愛してくれた。
挙げたかったろうに、私には金もなく結婚式もろくに挙げられなかった、けれどいつも笑顔で傍にいてくれた。
ルーナ、お前は幸せだったのかい?