コイシイヒト



「俺たち、どこかでずれたんだな」

「え?」

「幸せになってほしいって思ってるのに、幸せにしてやる事が出来ない」




ねえ、健史……


今、その言葉、

どんな顔で言ってるの?


切ないよ……。






「ふふっ、これも縁だね」

「縁って。夕実、おばさんくさ~」

「ひど~い。健史だっておじさんでしょ?」

「なに~!?」


まるで高校生の頃のように、互いの体をわざと強く抱き締め合い、笑い合った。




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