コイシイヒト



高校生の頃、わたしの胸を小さいと言ってた健史。


わたしはその度に

「これから大きくなるの!」って言ってたっけ……




……って、

この切ない別れ際に、それに触れるわけ??



「……だから大きくなるって言ったでしょ?」


呆れ顔のわたしに、健史がにっこりと微笑んだ。



「夕実、もう一回だけ触らせて」




え……。





「バカ!!」

「バカとは何だよ! 大人になった夕実にもう一回触りたいって思っただけだろ!?」

「それがバカなのよ……」

「はぁ??」

「もぉ~、バカ!!」

















コイシイヒトは遠い。

だけど、きっと……





                  ~end~







< 51 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop