コイシイヒト
一次会が始まると、すぐに懐かしい空気に包まれた。
ずっと会ってなかった友達が沢山いたのに、経過した時間なんて感じさせないくらい楽しい時間。
健史とは席が離れちゃったけど、凄く楽しいよ。
まるで高校生になったかのように、キャッキャと女同士盛り上がってた。
「ごめん、トイレ行ってくるね」
立ちあがった瞬間、体がグラッとよろめいた。
「大丈夫?」
「うん。大丈夫大丈夫!」
麻衣にピースを見せたわたしは、ちょっと飲みすぎたお酒を出しにトイレへ向かった。
ふぅ……次はお茶にした方が良いかも。
手を洗ってトイレから出たわたしの目に映ったのは、壁に背中をつけて立っている健史だった。