短いの【ショート集】
「歯も磨かず君の唇を奪うのはいかに夫婦と言えどエチケットに欠ける。目覚めのキスを一刻も早く味わい、更にそのままもう一度ベッドへ連れ去りたい」
「何て心を掻き乱す人。私はその誘惑に勝てるかどうか確信が持てない。いえ、きっと勝つ事なんて出来ない。あなたの歯磨きすら待てない位だもの」
「そう言えば歯磨きより、大事な言葉を送るのを忘れていた。あまりの魅惑的な姿を見て俺とした事が」
「私も今思い出したわ。忘れるなんてどうかしてる。急に起きて脅かすんだもの。この言葉無くして一日は始まらない」
「おはよう」
「おはよう」
毎朝会社遅刻。
完