囚われの王子様
「すみません」

そういって目をそらした私を見てお母様は
不愉快そうな表情でいう。

「まったく・・あなたなんて居ても
居なくても変わらないのにねえ・・・」

「・・・」

「まあ、早く準備して下にいらっしゃい。」

「はい・・」

私は今日結婚させられる。
知らない伯爵様の下へ―――
私の家では代々17歳になると親の決めた
相手の所へとお嫁にいくのがしきたりだ。



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