そして悪魔は二度微笑む【コラボ】
そして、開いたウィンドウから手を出すと、その手に持つ漆黒の塊を前方に向けた。

鳴り響いた銃声は2つ。それだけでタイヤを打ち抜かれた二台の追跡車は、左右にフラフラと揺れて路肩へと突っ込む。

ベリルの乗る車は、それを横目に悠々自適に追跡車の間を過ぎ去った。

「すごい……」

ニナが驚きの声を挙げる。だが、彼はそれには答えずに頭の中にこの国の地図を思い描いていた。

傭兵の中でもある事情により狙われる事の多い彼は、例え休暇中でもセーフゾーンを用意する習慣が身についている。

最初に彼がいたモーテルとは別に二カ所、体を休める場所を用意していた。

偶には温泉につかりたいな。次の休暇には、日本にいこう。

そう思いながらベリルは、目的地へと向かい車を走らせた。

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