そして悪魔は二度微笑む【コラボ】
玄関から正門までは凡そ30メートル程、彼女は玄関の扉を開け放つと無防備に外に出る。

「隠れているのは分かっている。出てきたらどうだ」

しばらく沈黙が降りた後、一人の男がハンドガンを構えてでてきた。

「何者だ?」

「他人の家に銃を構えて侵入してくる輩が、言う台詞ではあるまい」

「舐めているのか?」

男の表情が怒りを含んだ物へと変わる。

「別にそういう訳ではないが……、まあいい……。蓮城麻美、科学者だ」

「ふん、偉く余裕だな。シュタイナー博士を出せ! ある男から封筒が届いた筈だ。それを出せば大人しく帰る」

「嫌だと言ったら?」

「排除してゆっくり探すだけだ」

男はハンドガンを再度構え直すと、彼女の眉間に銃口を向ける。

そして……。

銃声が響きわたる。弾き飛ばされたのは、男の銃。

翻る白衣が元に戻る。ガシャッと音をさせて地面に男の銃が落ちた。

「クッ! クィックドロー!?」

蓮城博士は、銃を向けた体勢のまま、男の背後に目を向ける。

後一人隠れている筈だが……。

気配が遠ざかって行く。

逃げたか……。屋敷の裏からも争う声がしない。

「さて……。どうやら見捨てられたようだな」

「なっ!? そんな筈がない。おい! 援護してくれ」

気配が分からないのだろう。男が叫ぶ。蓮城博士は、地面に落ちた銃を拾うと男に屋敷に入るように促した。

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