そして悪魔は二度微笑む【コラボ】
部下がアインを連れて戻ってきた。老年を迎えた狂気の科学者は明らかに狼狽した様子だ。

「グラン様! 電子戦の強化と兵の増強を図って下さい!」

「……? アイン、あの女に見覚えがあるのか?」

「見覚えがあるなどと言う類ではありません! あの女は全ての科学者の敵です」

「落ち着けアイン、何だというのだ? ただの科学者だろう」

そう言いながら、グランは部下から追加の書類を受けとった。ざっと目を通して眉間に皺を寄せる。

蓮城麻美──。

年齢不詳、国籍不明、自称科学者、以上。

「名前と顔が解っていて何もわからんのか? アインこの女は何者なんだ」

「世界的に有名なマッドサイエンティストです。あの女にここの研究をしられたと言うなら、必ずデータを奪いに来る!」

「科学者の女が? 一人でか……? そんな事があるわけが無いだろう」

グランの言葉を聞いて、アインの顔が朱に染まる。

「グラン様! 冗談ではないのです。私が前にいた研究所はあの女一人に破壊されました。電磁バリアを展開されたら拳銃など役にたちません!」

『電磁バリア?』

部下のハーグレイとグランの声が重なる。

言うに事かいて電磁バリア等……。

「ハーグレイ……。アイン博士は少しお疲れのようだ」

「グラン様!? 私は疲れてなどおりません!」

喚くアインをハーグレイが強引に部屋から追い出した。

「あまりに非人道的な事をしすぎて、頭をヤってしまったか?」

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