そして悪魔は二度微笑む【コラボ】
「C班とD班は、泉の援護を! こちらの狙いに気付かれるな! A班とB班は、私と共に陽動を掛ける」

銃撃が飛び交う。敵の動きは緩慢で統率が上手くとれていない。

「寄せ集めならば」

こんな物だろう。20名の傭兵を4つの部隊に分けて指示をだす。

事前の打ち合わせで問題になったのは、やはりロングボウだった。アレが宙に浮くと、こちらが一気に不利になる。

そこでベリルは、爆発物のエキスパートに地上にいる間に爆破するように指示をだした。

泉と呼ばれた彼は、C班とD班の援護を受けて、単独でロングボウに接近する。

A班とB班は、遠巻きに研究所正面から攻撃を仕掛けて、敵の戦力を一手に引き受けていた。

『ベリル! アリアスが怪我をした! 下がらせる』

「ダグ! 無理はするなよ」

B班を指揮するダグラスから戦況を伝える通信が入った。

やはり、火力に差がありすぎるか……。

個々の能力の差は明らかにこちらが上ではあるが、機銃を制射した仕返しがロケットランチャーでは、流石に分が悪い。

そうこうしているうちにターボシャフトエンジンがその唸りを周囲に響かせる。

「間に合わなかったか!?」

『左エンジンは貰った! 右は誰か頼む』

泉の声がオープン回線で、皆に伝えられる。

直後、アパッチの左翼で爆発がおこった。

しかし、片方のエンジンを爆破されて尚、世界最強の攻撃ヘリは空へと浮かびあがる。

「A班とB班は、左右に展開、距離を取れ! C、D班はそのまま研究所の背面を制圧」

指示と同時にベリルは単身、ヘリ近くの敵集団に向かって走りだした。


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