そして悪魔は二度微笑む【コラボ】
『流石だな、素晴らしき傭兵は伊達じゃない』

「指揮の邪魔だ。さっさと割り込みをやめろ」

ヘッドセットを通じての通信は、毎回違う形式に暗号化してある。

それをこうも容易く破られるとは……。ベリルは心の中で舌打ちをする。

『すぐに切るよ。先に行かせて貰う』

研究所正面の空間に紫電が走った。

揺らぐ空間から白衣が出てきたかと思うと、研究所に向かって走りさる。

ベリルはこの短期間で、彼女の事を可能な限り調べ上げていた。

しかし、わかった事は少ない。天才科学者、マッドサイエンティストと呼ばれながらも表舞台にでる事のない女。

彼女の行動理由に関しては、軍の宿舎に間借りしていたウルリッヒ・シュタイナー博士に接触できた事で裏は取れていた。

だが、この様な形で出し抜かれては面白い筈がない。

ベリルは、ヘッドセットのボタンを押して仲間に指示をだす。

「C、D班はそのまま地上を制圧。A班とB班は、制圧が完了次第研究所内に侵入しろ……」

続けて伝えようとした言葉を、ベリルは一度飲み込んだ。
そして、ペンライトを取り出すと再び回線を開く。

「ダグ、ヘリ近くのコンテナに注意しておいてくれ」

──。

そして、通信を切るとベリル・レジデントは、蓮城麻美の後を追った。



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