そして悪魔は二度微笑む【コラボ】
「アイン、許可しよう。本物の悪魔を見せてやれ」

ならば、悪魔にその研究の成果を見せてやろう。

アインが下卑た笑いを浮かべ、ハーグレイの目が驚愕に見開かれた。

デモンプロジェクト唯一の成功例、DEー1。

その成功を目にした後、ジム・ハミルトンは所内の成功データを改竄、外部に流出させた。

おかげでDEー1以降の人体実験では肉体の変異までは成功するが、維持させる事が出来ないでいた。

「DEー1よ! お前の力を見せてみろ!」

アインがコンピューターを操作し、第二研究室を解放する。続いて第一ホールの隔壁を閉じた。

程なくして、研究室から一体の怪物が現れる。

元の人間がどういった外見をしていたかなど、この怪物を見て解る者はいないだろう。

皮膚は赤茶色に変質し、毛は全て抜け落ちている。
身長は2メートル50センチ程だろうか? 全身を覆う筋肉は、異常なまでに膨れあがり、まるで童話に出て来る赤鬼の様な様相を醸し出していた。

初めはゆっくりと、周りを警戒しながら怪物が歩き出す。

そして、DE-1が第一ホールに辿り着くと同時に蓮城麻美とベリル・レジデントも第一ホールにたどり着いた。

監視カメラの中の二人の動きは素早い。

DE-1を見た直後に二人とも拳銃を構えて連射する。

しかし、DE-1には拳銃程度の攻撃は効かない。分厚く強靭な筋肉に阻まれ、僅かに傷を付けたとしても再生してしまう。

「くくくっ、無駄だよ。そんな攻撃なんか効くものか! 二人とも死んでしまえ!」

聞こえている筈がないのだが、アイン・ビルダーの声に応えるかのようにDE-1が目標を定めて動きだす。

画面の映像に残像を残す程の移動。そして横殴りのフックが蓮城麻美に襲い掛かる。

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