そして悪魔は二度微笑む【コラボ】
麻美の目が驚愕に見開かれる。

骨格さえも作り変えられたDE-1のスピードは、明らかに人間の限界を超えていた。

辛うじて初撃のフックを回避するが、目で捉えた映像は処理しきれずに、コマ送りのように続けて迫ってくる。

振り上げられる左手。その左手が振り下ろされた瞬間に、麻美の目に影が映り込んだ。

ゴシャッ!

目の前でベリルの腹部に拳が叩き込まれる。

麻美を庇ってベリルが間に入ったのだ。

内臓が破壊された音がし、ベリルの体が床と水平に飛んで行く。

「フェミニストでもあるまいに!」

激昂した麻美が、リボルバーのターゲットサイトをDE-1の眼球に合わせる。

ガガォォォォォン!

放たれた銃声は、二つ。だが、眼球に到着する前に強靭な瞼に阻まれる。

その間にDE-1は再度麻美に肉薄し、右手を振り上げた。

「バリア!」

ブォォン!

右手首につけた腕時計が反応し、周囲に紫電が舞う。

目に見えない微量の金属粒子が麻美の周囲を取り囲み、プラズマ化、DE-1の拳を遮った。

バヂィィィィィイイ!

「出力が足りない!?」

元より小型化、光学迷彩の併用を余儀なくされたこの装置では、それ程の出力が出せない事はわかっていた。
だが、それでもロケットランチャーの一、二発は防げる程度の防御力は兼ね備えている。

それがいともたやすく打ち破られた。

麻美の腹部にDE-1の右拳がめり込む。

内臓が破裂する嫌な音が、体内を通じて彼女の全身に響き渡る。

そして、麻美もまた、床と水平に吹っ飛ばされ、壁に叩き付けられた。



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