空へ。‐夢の先‐
話がまとまって解散になった頃。



成二「なあ、」


紗姫「?」



成二が
話しかけてきた。


それだけでも、ちょっと嬉しくなる。



成二「……あのよ、」

紗姫「…どした?」



少し照れ気味なのが、なんか可愛くて。




成二「……ラーメン、行かね?」

紗姫「…ラーメン?」



突然の誘いにビックリした。

でも、そんなのは

一緒に行く相手に、あたしを選んでくれたっていう事実で

一気に飛んでいった。



紗姫「…うん、行く」

成二「………」

紗姫「行きたい!」

成二「…じゃ、行くか、」




成二が、笑ってくれたから。

あたしまで、凄く凄く
嬉しくなってしまう。





─────────…



紗姫「まじうまい!」

成二「だろ、」



元成二のバイト先のラーメン屋。


カウンターで2人ならんでラーメン。


激うま。マジうま。



「成二が女の子連れてくるなんて初めてじゃね?(笑)

美味しい?」


紗姫「はい!ヤバうまっす!」


成二「つーか普通に絡んでんじゃねーよ」


バイトのお兄さんにうんざりな顔をする成二。


「お前なに?この子好きなの?」


成二「ゴフッ!!」


お兄さんのその一言で
いきなり咳き込んだ成二。


成二「うるっせぇよお前!!」

「悪い悪い(笑)」



え、てか、なになに?


否定はナシなの?



あたしがジッと見てると、成二は少し顔を赤くした。



成二「み、見てんじゃねーよ!」

紗姫「いた、」



そう言って、頭を軽く押された。



ちょっとくらい、期待しちゃってもいいのかな…?


そんなことを思いながら、
横目で成二をチラ見しながらスープを飲んだ。




恋と夢が、歩き出した日。
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