空へ。‐夢の先‐
紗姫「龍くん、」

龍「…………、」

紗姫「…何て言ったらいいか…全然分かんないんだけど…、」

龍「……紗姫……、」



紗姫「…本当にありがとう、龍くんについてきて良かった…


研修はこれで終わっちゃうけど…
……また、頼ってもいい?」


龍「…当たり前だろ、俺は何があってもずっとお前らの味方だ、」


紗姫「……良かった


ほんとに、…お世話になりました。」


龍「………うん、」




出逢って1年。

あたしは龍くんと、この仲間たちにたくさんのことを教わった。



色んなことがあって、本当に濃い1年で

辛いこともたくさんあったけど
何より楽しかった。



みんなで1つのものを作ったり
1人のために悩んだり。



本当に信頼できる仲間ができて、きっとこの先

あたしは何があってもこの1年を忘れない。




寛「ったくよー!詩歌と紗姫にはあめーな!」


龍「やかましい!」


里緒「いえーい!じゃ、成二くん最後に一言ーっ!!」


成二「…あ!?」



みんなに押されて、前に出た成二。


龍くんが何か言えオーラを出していると

成二は少し照れくさそうにする。


それが可愛くて、胸がキュンてなった。



しばらくの沈黙のあと、成二は叫んだ。



成二「〜〜〜〜辛気臭ぇんだよバーカ!!」



龍「………はは!」



顔を赤くしてみんなの中に引っ込んだ成二を見て、龍くんが笑った。



麗奈「……何だかんだで進展はナシなわけ?」


紗姫「え!?ちょっと麗奈いつからとなりに」


美子「……告白…」


紗姫「美子まで…、してないよ!」




龍「黒い…スケジュールが限りなく黒い…」



あたしたちがガールズトークに花を咲かせているときに

帰ってきた百合さんから渡されたスケジュール帳を見て

龍くんが顔をひきつらせていたことなんて知るはずもなかった。
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