空へ。‐夢の先‐
橋口「よーし、前川、荷物積み終わったぞ!」


紗姫「あ、ありがと!…………、」



帰りは橋口の原チャリの後ろに乗る。

離れがたくて、あたしは立ったまま成二を見つめる。



成二「…何見てんだよさっさと帰れよ、」

紗姫「うん……、」

成二「……………」

紗姫「……………」



やがて、成二は自分の荷物を単車に載せた。



成二「…………」



成二も、何か言いたげに振り返った。



成二「…今までありがとな…。」


紗姫「…あたしの方こそ。」


成二「………またな」


紗姫「……うん!また!、」




成二も、あたしも笑って。

成二は自分の単車に
あたしは原チャリの荷台にまたがって走り出した。



“またな”




また、逢える。



その言葉をもらえた、

それだけのことが嬉しくて、嬉しすぎて


家までの途中、成二のことばかり考えて自然と顔が緩んだ。







─────────…


紗姫「ただいまぁ!」



母「紗姫!おかえり〜〜!!」

父「紗姫!よく帰ってきたなー!」

笑喜「よ!さき姉!」

瑠姫「紗姫おかえり」

仁喜「おーーやっと帰ってきたなー!」



紗姫「ただいま!みんな!」


唯喜「さぁ姉ちゃ〜〜ん!」

紗姫「きゃ〜〜!!唯喜〜〜!!」



玄関まで迎えに来てくれたみんな。

走ってくる唯喜を思いっきり抱きしめた。




母「後ろの2人もいらっしゃい!

紗姫のお友達ね!!さあ入って入って♪」



…はい?後ろの2人?



紗姫「後ろの2人って…、

…あ、あんたらなんでいんだよ!!?」



里緒「いっえーい!お邪魔しまーす!!」


沙也香「まあまあお気遣いなく!♪

お邪魔しまーす!」



何で寮に残ってるはずのリオサヤがここに…。


あたしよりさきにスタスタと家の中に入って行く2人。



紗姫「…いやおかしいだろ!」
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