空へ。‐夢の先‐
涙を流しながらただ歩いた。
笑いながら道行く人たちが羨ましく見えた。
夢を持って、それをただ追いかけて、初仕事が決まって、恋をして。
あたしはさっきまでこれからが楽しみでしょうがなかった。
なのに…。
なのに全てそれは章介があたしを守ってくれていたからだと思うと
目の前が急に真っ暗になった。
謝る章介が頭に浮かぶ。もう涙しか出てこない…。
下を向きながら、ただ泣きながら歩いていると
聞き慣れた声が、あたしを呼んだ。
葛城「……ヒメ…?」
紗姫「……………カツ、ラギ、」
***
葛城「どーぞ。」
ポンポンとあたしの頭を優しく叩いて
あたしの好きなコーヒーをくれた。
紗姫「ありがとう…」
葛城「今日は暗いね、いつもと違う」
あたしが見上げれば
カツラギは口角だけを上げて微笑んだ。
紗姫「……うん…、」
葛城「良いことがあれば必ず嫌なことがある」
紗姫「…………?」
葛城「…だからきっと…」
紗姫「………………」
葛城「…次は良いことが待ってるよ。」
笑うカツラギに
余計涙が出てきた。
紗姫「カツラギぃ〜〜〜〜…」
葛城「よーしよーし」
カツラギの片膝に埋もれて泣いた。
上からずっと頭を撫でてくれていた。
しばらく泣いて落ち着いた頃、カツラギに章介のことを話した。
カツラギは何も言わず、ただうん、うん、と聞いてくれた。
葛城「辛かったんだね…その子。」
紗姫「………………」
葛城「苦しくて…本当に苦しくて…でも逃げられなかった…」
そう言うカツラギは、少し遠い目をしていた。
笑いながら道行く人たちが羨ましく見えた。
夢を持って、それをただ追いかけて、初仕事が決まって、恋をして。
あたしはさっきまでこれからが楽しみでしょうがなかった。
なのに…。
なのに全てそれは章介があたしを守ってくれていたからだと思うと
目の前が急に真っ暗になった。
謝る章介が頭に浮かぶ。もう涙しか出てこない…。
下を向きながら、ただ泣きながら歩いていると
聞き慣れた声が、あたしを呼んだ。
葛城「……ヒメ…?」
紗姫「……………カツ、ラギ、」
***
葛城「どーぞ。」
ポンポンとあたしの頭を優しく叩いて
あたしの好きなコーヒーをくれた。
紗姫「ありがとう…」
葛城「今日は暗いね、いつもと違う」
あたしが見上げれば
カツラギは口角だけを上げて微笑んだ。
紗姫「……うん…、」
葛城「良いことがあれば必ず嫌なことがある」
紗姫「…………?」
葛城「…だからきっと…」
紗姫「………………」
葛城「…次は良いことが待ってるよ。」
笑うカツラギに
余計涙が出てきた。
紗姫「カツラギぃ〜〜〜〜…」
葛城「よーしよーし」
カツラギの片膝に埋もれて泣いた。
上からずっと頭を撫でてくれていた。
しばらく泣いて落ち着いた頃、カツラギに章介のことを話した。
カツラギは何も言わず、ただうん、うん、と聞いてくれた。
葛城「辛かったんだね…その子。」
紗姫「………………」
葛城「苦しくて…本当に苦しくて…でも逃げられなかった…」
そう言うカツラギは、少し遠い目をしていた。