空へ。‐夢の先‐
紗姫「母さんどうした〜!?」


少し心配気味にドアを開ければ、リビングには母さんを中心にテーブル周りに集まる兄弟たち。


笑喜と悠太、それにビール片手に座ってる仁喜とその横にちょこんと座ってる唯喜。




母「紗姫、これまじ!?」



あたしの視線に気づいて顔を上げた母さんが見せたのは、沢木さんからもらった封筒だった。


無意識にテーブルに置いてたのか…。



仁喜「寮入るんだって?行くのか?」


どことなく真剣な顔な仁喜。


悠太「紗姫が芸能界かぁ…」

恭也「無謀だよ」


この糞ガキ。


笑喜「すっげぇ!さき姉がんばれよ!」


キラキラの満面な笑顔な笑喜。




唯喜「…さあ姉ちゃん、いなくなっちゃうの…?」



今にも泣き出しそうな唯喜。



母「…はぁ、ビックリしたぁ。

紗姫、突然すぎて焦るよ…」


紗姫「……唯喜、大丈夫だよ。


今日話あるって言ったでしょ?実はそのことなんだ、」


仁喜「沢木龍と逢ったとか、すげーなお前」

悠太「紗姫…芸能界はちょっと…」


紗姫「まーま、ちょっと待ってみんな!
心配してくれてありがと!


でもあたし自身もまだ決めてないの!

ただあたしは沢木龍っていう俳優に会って…
色んなこと考えたのは事実だけど


その封筒に入ってる見学会に行くつもり」



そこで、ちゃんと決める。

そう言ってみんなを見つめれば
母さんははぁ、とため息をついた。



母「…まあ、母さんも父さんとよく話し合って考えてみるよ。

見学会に行ったあと、ちゃんと家族で話できるわね?」


紗姫「あったりまえじゃん?♪」
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