空へ。‐夢の先‐
紗姫「…ただいま…」



麻姫「紗姫姉!、」



考え事をしながら玄関に入ると、久しぶりの人物があたしを出迎えてくれた。



紗姫「…麻姫ぃ!」


麻姫「あ…その、…お帰り、」


紗姫「ただいま!久しぶりだな〜麻姫ぃ!」



久しぶりに顔が見れたのが嬉しくて、ついはしゃいだ。




麻姫「紗姫姉…、今まで素直に謝れなくてごめん…」

紗姫「麻姫、」

麻姫「ほんとは自分の言ったことも全部後悔してた…

でもなかなかちゃんとできなくて…」


紗姫「あたしだって最悪だったんだから
あのことはもういいの


…ただヤンチャするのはいいけど…

ひねくれ者にはなるなよ、」



あたしはぽんと麻姫の頭を叩いた。



麻姫「うん…、あたし里緒と沙也香に会って

話…聞いてもらって…

…ちゃんと筋通ったヤツになるって決めたから、」



そういう麻姫の顔は、いつからか失っていた

本物の笑顔だった。




紗姫「…良かった!

あ、そういえばリオサヤは?」


麻姫「普通に帰ったけど、」


紗姫「ふーん…、」




ただの友達作りだったのか

本当にあたしの心配をしてくれてたのか…。



よく分かんないなぁ、あの2人は。



とりあえず今度逢ったときには一応お礼として

何かおごってやろう。





リビングで家族に章介のことを話した。


そしてこれから、みんなで杉本家を支えていこうと決めた。




自分の部屋に戻ると
ある人物に電話するため携帯のボタンを押す。




───プルルルル、


紗姫「………………」


───プルルルル、…ガチャッ
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