空へ。‐夢の先‐
麗奈《もしもし、》


紗姫「あ、もしもし麗奈?

今大丈夫?」


麗奈《うん、》


紗姫「あのさぁ、
花月高校ってどこか分かる?」


麗奈《…あたしのとこから結構遠いけど、
道なら分かるよ》


紗姫「教えてくんない?」


麗奈《…花月のヤツとモメた?》


紗姫「何で、」


麗奈《そんな声してる。》


紗姫「…幼なじみがちょっとやられてさ。

…礼はキッチリしなきゃ」



麗奈《…教えて大丈夫なんだろうな》



紗姫「あたしもそこまでバカじゃねーっつの。

…ちょっとした宣戦布告しにいくだけ」



麗奈《…分かった。明日の12時、あたしの家で。》



紗姫「りょーかい」



電話を切ったあと思った。

やっぱ麗奈には伝わるんだな…。


麗奈はいつもあたしにストップかけてくれるから、いないと結構困る。




明日、そいつと初対面か。



静かな怒りは冷めないまま、あたしは1日を過ごした。





─────────…
12時。


学校は遅刻する。



麗奈「乗り込むなんてよくやるよ、」

紗姫「何が?普通っしょ?」

麗奈「てかアンタ学校良かったの?」

紗姫「ダチがやられてんのに学校なんか行ってられっか!」

麗奈「元ヤンの考えだわ」



ついていけねー、と相変わらずクールに前を歩く麗奈を慌てて追いかける。


あたしの考え方はそんなに変わってるんだろうか。



***



麗奈「…そりゃあたしでも黙ってないわ」

紗姫「でしょ?」



麗奈に章介のことを話したら、やっと共感してくれた。



何やかんや言いながら歩いて、たどり着いた花月学園。


芸能科の校舎はかなり綺麗だった。
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