空へ。‐夢の先‐
紗姫「見学会参加申し込みした前川紗姫です」


「前川さんですね、何か身分証明になるものをお願いします」

紗姫「あ、はい…えっと…、」



何とか間に合った見学会集合場所であるホテル。


ロビーに入るまでの受付で券を見せるも、身分証明に持って来たはずの生徒手帳が無い。



紗姫(やっば…!)


紗姫「…あれ…、すみません、忘れて来たみたいなんですけど…」



確かに入れたはずなのにな。


「え…、えっと…」


はい来ましたー、ありきたりなこの展開。


やべぇ時間がやべぇ。



「それでは申し訳ありませんが…お通しするのは難しいです」


ガビーン。

やっちまったな。



時間がやべぇのは分かってるのに
特に焦ることなくどうしようかと無表情で考えていると。



「…前川さん!」



今のあたしにとっては救世主のような

聞きなれた声がした。



紗姫「…町田さん!!!!」


百合「どうしたんですか?」

紗姫「あ、身分証明の生徒手帳忘れて入れないんです、」



百合「そうなんですか、
沢木のマネージャーの町田と申します。

…あの、この方間違いなくご本人です。
私がこの間直接スカウトしたので…」


「そうですか、失礼いたしました!

どうぞお通り下さい」

紗姫「ほんとすみません、」



よっしゃー!

さすが町田さん、あたしの天使。
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