空へ。‐夢の先‐
「おめぇなぁ、何も言わずに待たせた上にどこ連れてく気だよコラァ!!!」
動き出したのは
今までソファに暇そうに座っていた
まさに“硬派”というような
黒髪の不良だった。
龍「俺の撮影現場だ。お前も来い」
柔らかい表情を変えずに不良に言う沢木さん。
「ふざけんじゃねぇぞ、」
不良はガッと沢木さんの胸ぐらを掴んだ。
緊迫した
空気が流れる。
何も言わずに不良を見下ろす沢木さん。
今にも殴りそうな鋭い目つきで沢木さんを睨みつける不良。
あたしは反射的に不良の腕を掴んだ。
「…何だコラ」
紗姫「殴っちゃだめっしょ」
「…どけよ」
紗姫「お前がどけよ、沢木さんに乱暴すんな」
胸の奥からジワジワと何かが込み上げてくる。
徐々に懐かしいあたしが心の中に蘇ってくるのが分かる。
「…このクソアマ」
そう、あなたとあたしの出逢いは
運命と呼ぶにはあまりに乱暴で荒々しくて
偶然と呼ぶにはあまりに衝撃の出逢いだった。
もしもあなたとあたしが出逢うことを知っていたなら
もしもあなたとあたしが恋に落ちることを知っていたなら
あたしはきっと、あの時掴んだあなたの手を
絶対に放しはしなかったのに。
動き出したのは
今までソファに暇そうに座っていた
まさに“硬派”というような
黒髪の不良だった。
龍「俺の撮影現場だ。お前も来い」
柔らかい表情を変えずに不良に言う沢木さん。
「ふざけんじゃねぇぞ、」
不良はガッと沢木さんの胸ぐらを掴んだ。
緊迫した
空気が流れる。
何も言わずに不良を見下ろす沢木さん。
今にも殴りそうな鋭い目つきで沢木さんを睨みつける不良。
あたしは反射的に不良の腕を掴んだ。
「…何だコラ」
紗姫「殴っちゃだめっしょ」
「…どけよ」
紗姫「お前がどけよ、沢木さんに乱暴すんな」
胸の奥からジワジワと何かが込み上げてくる。
徐々に懐かしいあたしが心の中に蘇ってくるのが分かる。
「…このクソアマ」
そう、あなたとあたしの出逢いは
運命と呼ぶにはあまりに乱暴で荒々しくて
偶然と呼ぶにはあまりに衝撃の出逢いだった。
もしもあなたとあたしが出逢うことを知っていたなら
もしもあなたとあたしが恋に落ちることを知っていたなら
あたしはきっと、あの時掴んだあなたの手を
絶対に放しはしなかったのに。