空へ。‐夢の先‐
どんどん速くなる心臓、見入っていたあたしは
カットと叫んだ監督さんの声で我に返った。
心がぐっと、締め付けられるような気分。
凄い、としか言いようのない目の前の世界。
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン。
また騒がしく動き始める現場。
目の前で見た世界に
足が動かなくて
そのシーンだけが頭の中で流れていた。
─────────…
また長い間の準備が終わり、次の本番になる。
「次は沢木さんの最終シーンになります。
頑張りましょう!」
チラッと沢木さんの方を見れば、すでにスタンバイして何かを感じるように目を閉じていた。
何度もリハーサルをして、本番。
落ち着きだしていたあたしの心臓はまた速くなっていく。
何でこんなに心が踊るのかも分からない…
なのに…全てがキラキラと輝きが増す
夢じゃないことを確かめるようにしっかりとその“世界”を見つめる。
あたしの見ていた世界と目の前の世界は
全く違っていた。
トク、トク、トクン、ドクン、ドクン───────
監督「本番行くぞー!
────よーい、スタートぉ!!!」
龍「"ハァ…ハァ…っ、進藤…っ、あのガキの両親救出成功した…"」
菅原《"やった…!進藤さん…ほんとにお疲れ様です!"》
龍「"…はぁ、…竹村…、"」
菅原《"はい…!?"》
龍「"…はぁっ…今…、お前が救った命を…っ、お前のとなりにある命を…、絶対に見失うなよ…っ、"」
菅原《"…進藤さん…?"》
龍「"その人たちは…、お前の宝だ…っ、"」
菅原《"……………はい…っ!"》
龍「"…ハァッ…すぐに、戻る、…ハァ…"」
菅原《"待ってます。…帰ってきたら…もっと色んなこと教えて下さいね…"》
龍「"…ああ、"」
カットと叫んだ監督さんの声で我に返った。
心がぐっと、締め付けられるような気分。
凄い、としか言いようのない目の前の世界。
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン。
また騒がしく動き始める現場。
目の前で見た世界に
足が動かなくて
そのシーンだけが頭の中で流れていた。
─────────…
また長い間の準備が終わり、次の本番になる。
「次は沢木さんの最終シーンになります。
頑張りましょう!」
チラッと沢木さんの方を見れば、すでにスタンバイして何かを感じるように目を閉じていた。
何度もリハーサルをして、本番。
落ち着きだしていたあたしの心臓はまた速くなっていく。
何でこんなに心が踊るのかも分からない…
なのに…全てがキラキラと輝きが増す
夢じゃないことを確かめるようにしっかりとその“世界”を見つめる。
あたしの見ていた世界と目の前の世界は
全く違っていた。
トク、トク、トクン、ドクン、ドクン───────
監督「本番行くぞー!
────よーい、スタートぉ!!!」
龍「"ハァ…ハァ…っ、進藤…っ、あのガキの両親救出成功した…"」
菅原《"やった…!進藤さん…ほんとにお疲れ様です!"》
龍「"…はぁ、…竹村…、"」
菅原《"はい…!?"》
龍「"…はぁっ…今…、お前が救った命を…っ、お前のとなりにある命を…、絶対に見失うなよ…っ、"」
菅原《"…進藤さん…?"》
龍「"その人たちは…、お前の宝だ…っ、"」
菅原《"……………はい…っ!"》
龍「"…ハァッ…すぐに、戻る、…ハァ…"」
菅原《"待ってます。…帰ってきたら…もっと色んなこと教えて下さいね…"》
龍「"…ああ、"」