空へ。‐夢の先‐
第一章
運命の出逢い
あの日、あたしは確かに夢を見せられた。
「おはよーゴザイマス!。」
2時間目だから、現国になるか。
初夏。
ピチピチの高校1年目になるあたしは、いつも通りと言えばいつも通りに、授業に少し遅れてしまった。
だからといって、焦ることなく元気にドアを開けて挨拶すると、先生には軽く睨まれる。
そんなちょいマイペースの普通の高校生。
あたしの名前は
前川 紗姫
(まえかわ・さき)
買い物と寝ることが大好きでテストと勉強が大嫌いな女の子。
あ、あと何かしらに縛られるのも嫌いです。
性格は父親と母親からまんま受け継がれた。
親子そろってマイペースだから色んな方に文句言われたり言われなかったりで大変。
だけど何だかんだそんな平凡な日々が嫌だったわけじゃないのに。
あたしの運命は静かに狂い出していた。
─────昼休み。
親友2人と机をくっつけて仲良くお弁当を広げている。
春花「アンタまじムカつく。」
あたしに向かって毒を吐くのは、なかなか派手なギャルの春花。
同時に恋愛経験豊富で、学年では色んな噂を立てられていたり。