空へ。‐夢の先‐
みんなが歩いてくる道を逆走して
内村と田中を見つけてまた強引に呼びかける。



振り返ればみんながついて来ているのが分かった。



ごめんね、みんな。


みんなにも迷惑かけっぱなしだったよね。


でも、もう買い物に誘うことも


一緒に遅くまで遊ぶことも


大声で笑い合うことも



きっと少なくなってしまうから。



だけどみんなには分かってほしいんだ。


あたしの“夢”を。



みんなは初めてできた

あたしの“友達”だからさ。




─────────…



春花「ちょ、まじ死ぬ…!!」

田中「相変わらず持久力ねぇな」

内村「走った走った〜♪」

喜美「とりあえず全員カルピスで!」



店員に部屋まで案内されて、みんなソファにぐったり。

いや、カラポ結構遠かった。

あのペースはキツかった、ガチで。



橋口「そんで、前川話ってなに?」

内村「あ、そういやそんなこと言ってたな」



紗姫「そだそだ!」


あたしは運ばれてきたカルピスを一口飲んで

すぅっと息を吐いた。



紗姫「えっと、突然なんだけど…、

あたし芸能界に入ることになった!」

「「「……………はぁ!!??」」」


紗姫「…っていうのはまだ先の話で、俳優の沢木龍いるでしょ?

その沢木龍が立ち上げる劇団に、正式に入ることになった!」



春花「ちょちょ、待って1回!
なに息なり!沢木龍の劇団って…」

田中「あのニュースでよくやってる…?」


紗姫「まぁそうなんだけど…、

あたし夢とか無かったんだけどさ、
沢木さんに逢って、話して、撮影現場を見せてもらったんだ。」
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