空へ。‐夢の先‐
あたしが真剣に話しだすと、最初は動揺していたみんなも真剣な顔して聞いてくれる。



紗姫「自分でも、意味分かんないくらい感動して

ぐっと心掴まれて
変な身震いとかしてさ…、

こんなにやりたくなることってあるんだって…


きっと他の誰かじゃダメだったんだと思う。

沢木さんだから、ついていきたいと思った
沢木さんにだから、教わりたいと思った。」


沢木さんとだから、一緒の夢を一緒に見たいと思えた。




春花「…マジなんだ…、」

喜美「………………」



紗姫「来月から寮に入って毎日稽古なんだ。

だから…みんなと遊べる時間も少なくなるし

付き合い悪くなるかもしれないけど…


あたしずっと本当の友達なんていなかったから

だからほんとはあたしが凄く寂しいけど…

みんなに分かってほしいなって思ったんだ…」




あたしがうつむくとしばらく沈黙が続いた。

静かな空間に

離れて行ってしまうみんなの姿を想像して
悲しくなる。

なぜか、一生会えなくなってしまうわけじゃないのに。

みんなと出逢った日のことが頭の中に蘇る。




『そんなに睨まなくたっていいじゃん。仲良くやろーよ?』

『あんたもあたしと一緒だ!』

『別に、偏見ないし。つーかお前とは気合いそう』

『お前、顔こえーよ!!』

『分かんないことあったら教えるよ、だからがんばれ』





春花「………ばか、」


本当に涙がこぼれそうになったとき。

ふわっ、と優しく体が包まれた。



春花「また勝手なことやって、」


喜美「……もぉダメだぁ〜〜〜〜〜!!!

紗姫ぃ、あんたそんな風に思ってたんだぁ」


また、ぎゅうっと締め付けられる。


2人の声が少し震えているのが分かった。



田中「…気にすんなよ、」


紗姫「…田中…、」


内村「…そーそ、俺たちダチじゃん。
何も変わんねーよ!」


橋口「俺らがいる!から、気済むまでちゃんとがんばれよな!」
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