空へ。‐夢の先‐
─────────…



その日は、1日中みんなで遊んだ。


こっそり6人で撮ったプリクラをストラップにして

あたしが肌身はなさず持っている、一番大事にしている、くまのストラップの中に埋め込んだ。


この中なら、絶対に失さない。

ずっとみんなのそばにいる。


そんなことを思いながら、くまを携帯と一緒に枕の横に置いて

満月がいつもより輝いている、その光だけが照らす暗い部屋の中で



安心感に包まれながら
深い眠りについた。







─────次の日


寮に入るにあたって、悪いクセをできるかぎり改善!ということで

遅刻グセと、やめかけていたタバコを完全に断つことに。


タバコはまあよしとして、早起きする人間なんてどこか変なんだと信じてる。

だってあたしにはできない。←


まあそれじゃダメってことで章介にやかましすぎるモーニングコールを頼んで何とか起きたわけデス。




章介「ほんと朝弱いよな(笑)」

紗姫「んー…ねみぃ…」

章介「あ、てか聞いて、ビッグニュース☆ユリアちゃんがさ」

紗姫「ユリア??」

章介「いんじゃん、女優の御坂ユリア。花月の芸能科の」

紗姫「あー…、で?」

章介「付き合っちゃった☆」

紗姫「……は!?」

章介「昨日さぁー、うちってかまあ紗姫ん家なんだけど、

沢木龍が来たから絡んでみたわけよ!

そしたら超いい人でさ、メシ連れていってもらって、そこ芸能人がよくいるとこみたいで!

その時たまたまユリアちゃんがいて、まぁ成り行きで付き合っちゃった☆」



早口にそう話す章介に
お前どんだけ軽いんだって呆れた。


つーか名前は知ってるけど知らない女優で
この時は特に気にとめなかった。


それよりも…。



紗姫「つか昨日沢木さん来たってどーいうことさ!!?」
< 36 / 125 >

この作品をシェア

pagetop