空へ。‐夢の先‐
紗姫「やめてよ何か恥ずかしいじゃん(笑)」

葛城「だーめ!(笑)
もう俺の中ではヒメでしかないから。

俺この近くの工事現場で働いてるんだ」


紗姫「そうなんだ…んじゃまた差し入れ行くね!」


葛城「ありがと、じゃあねヒメ」

紗姫「ばいばい!」





挨拶をしてからも、去っていくカツラギの背中を見つめた。



新しい友達は、とても不思議な人だった。


雰囲気も、距離感も。

全てが安心できるような人。





鳴り響くチャイムが、あたしを現実へと引き戻す。


少しだけ吹いた風に
木々が揺れている。


雲は、いつもより少し速めに流れていて


太陽は、いつもより一層輝いていた。




眩しすぎる太陽に、少しだけ目をつむった。




来月には寮に入る。



その2日前にはメンバー全員で記者会見に出席する。





目を閉じれば

あの日見せられた夢が鮮明によみがえる。



つかんでみたい、光がある。




今のあたしが見る世界は、




一気に、輝きを増していた。



そんな、夢の始まり。
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