空へ。‐夢の先‐
春花「紗姫ごめんねー」

喜美「今日はウチも用事あるっぽいんだよねーごめん!!」



紗姫「ありゃりゃ…」



放課後。

大好きな春花と喜美を買い物に誘ったら、用事があるらしく
目の前で申し訳なさそうに手を合わせている。



春花「また行くからさ〜」

喜美「ばいばい紗姫〜!ごめんな〜!」


紗姫「いやいや!またねーん!」



あの2人はいつも付き合ってくれるのにな…。

しゃーない、1人で行きますか。


別に1人行動が嫌いなわけではないので、早速あたしは大好きな行き付けの
近くのショッピングモールへと足を動かした。



───────────


紗姫(買いすぎたかな〜…)


そう思いながらファーストフードを頬張っていると、窓から見える空から雨が降り出しているのが見えた。


紗姫「…げ…、」


ビニール傘買わなきゃ、濡れちゃうなぁ。

いや、あたしは別にいいんだけど買った服ちゃんたちがさぁ。


そんなことを考えていると、不意に肩をやさしく叩かれた。




「すみませ〜ん…?」



そこには、スーツを着た上品な女の人がいた。

あたしはおずおずと自分を指差せば、女の人は一回コクンと頷いた。

ああ、その顔は困らせてしまったのですか。



紗姫「…まさかさっきから…?」

「あ、はい、すみません突然」

紗姫「いえ、ボーッしてると何も耳に入らないものでして…、ご無礼申し訳ないです」



あわてて席を立ち上がり、丁重にお詫びした。


「あ、いえそんな!
私、こういう者なんですけれど…
突然で申し訳ないんですが、少しお時間よろしいですか?」



丁寧に手渡しされた名刺を受け取って見ると、

スカイプロダクション
町田 百合

そう書かれていた。
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