空へ。‐夢の先‐
紗姫「ありがとうございます、私は北村高校1年の前川紗姫と申します、」

「前川さんですか、ご丁寧にありがとうございます」



言いながら多くの荷物を自分の隣の椅子に移動させ、水を用意して
横にそえられた紙で机を拭いた。



「すみませんわざわざ…」


紗姫「いえいえ……あの、お話っていうのは…?」


「はい、ではさっそくさせていただきます。」


あたしの空けた席につくと、町田さんは一息ついて落ち着いた口調で
あたしに優しく語りかけた。


「まず最初に、
スカイプロダクションという芸能事務所をご存知ですか?」



スカイプロダクション、という単語を

雑誌の広告やタレントのプロフィール、

自分の持っている芸能人に関する知識の全てから引っ張り出そうとするも、なかなか見当たらない。



紗姫「…んー…ちょっと分からないですね…すみません…、」


「あ、そうですか、全然気になさらないで下さい!

私の勤めているスカイプロダクションには多くのタレントさんが所属しているんですね。

例えば女優の宮城友や佐伯美華、モデルの河原真衣
俳優の沢木龍や中島春樹、迫田忠史…


誰か名前をご存知な芸能人はいらっしゃいましたか?」


紗姫「はい、今挙げていただいた方は全員知ってますね、」


なんだなんだ、やたらとビッグばかりではないか。


すげーなスカイプロダクション。



「嬉しい限りです。

先ほども名前挙げました、うちの事務所の俳優、沢木龍が

1年ほど前から劇団を立ち上げる活動をしているんですけども…、ご存知でしょうか?」
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