空へ。‐夢の先‐
沙也香「あ!紗姫ちゃんこっちこっち!」

里緒「紗姫ちゃーん!!!」


紗姫「おっす沙也香、里緒!

龍くん、町田さんこんばんは!!」


百合「紗姫ちゃん、こんばんは」

龍「おう、」



あたしの他に来ていないメンバーは
タメの不思議ちゃん、美子(みこ)だけだった。


…いや、正確に言えば成二たちもだ。



紗姫「…龍くん、」


龍「……来なかったら仕方ない」


そう言ったその目は、少し寂しげだった。


今日この時間に来なくても。

きっと龍くんはまたこの劇団とは違う形で

成二たちを立ち直らせようとするんだろうな。


そういう人だよ、この人は。




─────7分後



百合「…………沢木さん…、残念ですがもうお時間が…」


町田さんが悲しそうな声を出した。

みんなも少し悲しそうな顔をした。



龍くんは、ただ真っ直ぐに空を見上げていた。



美子「…だめ…」

紗姫「…………?」

美子「…来るよ…」


美子が一点を見つめておかしなことを言い出した。



紗姫「美子何言って、「3。」


紗姫「…?」


美子「2」


龍「………………」


美子「1。」





─────ガシャァン!!!!!!!



不意に近くで鳴り響いた大きな音。


2台の改造バイクが突っ込んだのは、運良く草むらだった。



里緒「な、なんだなんだ!!」

沙也香「誰やねん!!」






紗姫「…成二…、」


成二「………………」



バイクから離れて
こっちに来たのは成二と、その仲間の4人だった。




龍「………………」


蓮「よく考えたら俺、天職だと思うんだよね、俳優♪」

「〜〜勘違いすんなよな!1回やってみるだけだかんな!」

「めんどくせーから以下同文」

「…………(ペコッ)」
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